M1のMacBook Airが届いてから今日でちょうど1ヶ月が経ち、そろそろ新しい環境に慣れてきたので所感を書き残しておきたいと思います。なお、これは個人の主観的な感想であり客観的な検証等は行っていないので、落書き程度のものとしてご覧ください。

買ってよかった点

1. 速い

とにかく動作が速い。以前使っていたMacBook Pro 2016はもう6年前のモデル、しかもSkylakeおじさんなので比較しても仕方ないんですが、わざわざ計測するまでもなく目に見えて速いです。普段使っていて処理で待たされることはほぼありません。

特に感動したのは、Xcodeでのビルドの速さ。Cities BoxやAlbus Boxをビルドするときに、MacBook Pro 2016では1〜2分くらい待たされたビルドも、M1では30秒くらいで完了します。もちろん、その時々でビルドすべきオブジェクトの量にもよりますけどね。

また、前回の記事にも書いたように、M1に対応した仮想マシンである「UTM」でもArm64アーキテクチャ向けのOSであれば爆速。UbuntuなどのArm64版がネイティブ環境とほぼ変わらない速さで快適に動作します。

2. 電池の持ちが良い

これも電池が駄目になった6年前のMacBook Proと比べても仕方ないですが、1日4〜5時間ほど使っていても、2〜3日に一回のペースで充電すれば事足ります。新品だから電池の持ちが良いのは当たり前なんだけども、Xcodeで起動しているだけで電池の残量が早く減る、なんてことはまずありません。

3. 発熱がほぼない

MacBook Air 2020はファンレス仕様ですが、ファンレスでも全く困らないレベルに発熱が少ない。intel Macではファン付きでも常にホッカイロ状態だったんですが、M1では全然熱くなりません。CPUをフル活用しているときに、やっと「ちょっと温かいかな?」というレベル。逆に冬場は本体が冷たすぎて手の置き場に困りそうです(4月でも「冷たっ!」とか思ったし)。
この発熱の少なさも電池の持ちの良さに繋がっていると思われます。

4. キーボードが打ちやすい

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あの悪名高いバタフライキーボードから置き換わり、打ちやすくてゴミや塵が入りにくい設計に変化。キーボードが変更されたのは数世代前なので、MacBook Air 2020特有の特徴というわけではないですが、以前使っていたMacBook Pro 2016はバタフライキーボードだったのです。完全なる故障とまではいかなくとも、一部のキーが反応しづらくなることが多々ありました。

5. Rosetta2が期待以上に高性能

バイナリ変換機能であるRosetta2により、intel Mac向けのアプリもM1上で動作できるようになりました。これまで使っていたアプリも自作のプログラムも問題なく動いています。動作も快適。また、xv6ビルド環境であるriscv-toolsもRosetta2によって難なく動きました。

6. iOSアプリも動く

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なんとApp Storeで配信されているiOSやiPadOS向けのアプリもMac上で動作します。すごいぞM1。ぶっちゃけあまり使ってないけども。

買って後悔した点

ない。強いて言うなら、快適すぎて以前使ってたMacBook Pro 2016の使い道がなくなってしまったことかな。

ちょっと残念な点

1. 指紋認証

M1に限らず最近のMacBookにはTouch IDがついていますが、これがなかなか認識してくれない。少しでも濡れていると認識できないので、手汗をかきやすい自分にとってはほぼ無用の長物です。成功率は3割くらい。

まあこれはiPhoneやiPadでも同じなので、M1というよりTouch IDの技術の限界かな。

2. スピーカー

普段はイヤホンを使っているので困ることは全くないけれど、MacBook Air内臓のスピーカーがMacBook Pro 2016の内蔵スピーカーに比べると少し音質が劣る気がした。
技術仕様を見てみると、MacBook Proは「ハイダイナミックレンジステレオスピーカー」、MacBook Airは「ステレオスピーカー」となっているので、ここが音質の違いの原因かな。
正直、スピーカーは盲点でした。ProとAirの差がここにあったとは。

MacBook Pro (13-inch, 2016, Thunderbolt 3ポートx 2) - 技術仕様

MacBook Air (M1, 2020) - 技術仕様

人によっては後悔するかもしれない点

1. Bootcamp非対応

Bootcamp未対応ゆえ、Windowsをインストールして起動することはできません。Windows等が使えないと困る方は要注意。

2. 外付けSSDのデータ転送が遅い(らしい)

手元の環境ではまだ試していませんが、M1チップ搭載機で外付けSSDのデータ転送速度が遅いという報告が上がっています。

参考:M1 Macで外付けSSDが遅いという噂は本当か?Intel Macとの比較も交えて徹底検証 | ASCII

3. intelじゃない

多くの場合はRosetta2で対応できますが、完全な互換性があるわけではないので要注意。

4. そもそもmacOS

macOSに慣れていない人にとっては、まずOSの違いで戸惑うことになると思います。僕もそうでした。これはM1に限らずintel Macでもそうですが、はじめは誰でも戸惑います。買ってすぐ、慣れる前に「使いづらい!Macクソ!」ってなりそうな人にはそもそもMacはオススメできませんし、Windowsなど慣れた環境のPCを購入すべきです。

M1 Macはオススメできるか?

めちゃくちゃオススメ!

…と言いたいところですが、あくまでもおすすめできるのは「なにか困ったことが起きてもある程度自分で解決できる人」に限ります。

M1は素晴らしいです。動作は速いし、電池の持ちは良いし、動作が安定しているしで、いいことづくしです。
しかし、M1はApple Silicon、すなわちArm64アーキテクチャです。intelのx86_64ではありませんので、intel Mac前提で作られてきたこれまでのプログラムが動かなくなる可能性があります。
Rosetta2は素晴らしい技術で、ほとんど多くのアプリやツールにおいて、Intel Mac以上に爆速に、なおかつ安定して動作します。しかし完全に互換性があるわけではありません。

いまのところ試した限りで動かなかったのはVirtualBoxくらいですが、これまで使ってきたアプリが本当にM1でも動くのか、Rosetta2で動くのか、よく調査した上での購入をおすすめします。ネットメディアでは良い点ばかり取り上げられがちですが、ユーザによって目的も使うものも使い方も異なりますので、あまり目を向けられていない点にデメリットがある場合もあります。Apple Silicon自体がまだ登場したばかりの発展途中の技術であることに留意しておくべきです。

とは言っても、自分自身は買って良かったと思っています。むしろここ数年で一番良い買い物をしたと思います。年内(もしかしたら今月?)にM2 MacBook Airが出る噂もありますが、多くの場合あと数年はM1で困ることはないと思います。
現状は人を選ぶ機種である面も残っていますが、主要なアプリはたいてい動きますし、新しい環境を開拓する気概がある人には持ってこいだと思います。