この春、院進する者としてはおそらく最後の暇な春休みだったので、ちょっと長めの旅に出ました。昔から雪の北海道に憧れを持っていたので、3月上旬に北海道に行きました。と言っても普通の旅行ではありません。今回は基本的に在来線とフェリーで行きました。車窓をじっくり眺めることができ、なおかつ安上がりという一石二鳥っぷり。それこそが自分が旅に求めているものです。(※ただし一部区間は特急利用&帰路は飛行機利用)

今回は「北海道&東日本パス」という、JR 東日本と JR 北海道が販売している乗り放題きっぷを片手に、1週間かけて北海道を1周します。もちろん、北海道までの道中も在来線です。ただし、日数の関係で帰りは飛行機としました。往路で十分景色を楽しめたのだからヨシ、ということにしておきます。

北海道&東日本パスの概要

北海道&東日本パスでは、1枚 11300円という値段で JR 東日本線、JR 北海道線、青い森鉄道線、IGR いわて銀河鉄道線、北越急行線の普通列車が7日間乗り放題という破格の切符です。

類似したものに青春18きっぷがありますが、日数と、連日か隔日か(青春18きっぷでは隔日利用が可能だが、北海道&東日本パスでは使用開始日から7日間連日で有効)という点に違いがあります。行き先が北海道・東北・関東・甲信越方面で、なおかつ連日で旅行する場合は、青春18きっぷよりも北海道&東日本パスのほうがお得と言えるでしょう。

きっぷは JR 東日本や JR 北海道の各駅で購入可能です。JR 東日本の場合、指定席券売機で購入できます。筆者は新宿駅西改札口横の指定席券売機で購入しました。

旅程

筆者は東京在住なので、今回は新宿がスタート地点です。初日のスタートは朝7時頃で、期間は3月2日から3月9日まで。太字は乗降駅、または途中下車(ちょっとした観光 or 昼食)駅です。

  • 1日目(北海道&東日本パス利用開始日)
    • 新宿(埼京線)⇒赤羽(宇都宮線)⇒宇都宮(東北本線)→黒磯→新白河→福島→白石→仙台→小牛田→一ノ関⇒盛岡(IGR いわて銀河鉄道線・青い森鉄道線)⇒八戸
  • 2日目
    • 八戸(青い森鉄道線)⇒青森青森フェリーターミナル(青函フェリー)⇒函館ターミナル(北海道バス)→函館駅前
  • 3日目
    • 函館(函館本線)→長万部→倶知安→小樽札幌
  • 4日目
    • 札幌(千歳線)⇒千歳(石勝線)→新夕張⇒新得(根室本線)⇒釧路
  • 5日目
    • 釧路(釧網本線)⇒細岡釧路湿原(釧網本線)⇒釧路
  • 6日目
    • 釧路(釧網本線)⇒網走
  • 7日目
    • 網走(石北本線)→北見⇒旭川(函館本線)→岩見沢⇒札幌
  • 8日目(この日のみ北海道&東日本パス対象外)
    • 札幌(千歳線)⇒新千歳空港新千歳成田空港第2ビル(京成本線)⇒日暮里(山手線)⇒新宿

旅程を地図に示すとこんな感じになります。

この記事では前編ということで、1〜4日目のことを書いていきます。

予算

  • 北海道&東日本パス ・・・ 11300円

  • 交通費(パス以外) ・・・ 18200円

  • ホテル(7泊) ・・・ 29000円

  • 食費・お土産 ・・・ 18000円

  • その他(入場料等) ・・・ 2800円

  • 宅急便(帰路) ・・・ 2050円

  • 計81350円

予算は概算です。ホテルは基本的にビジネスホテルで、1泊3000円〜5000円台です。

北海道&東日本パス以外の交通費には、バス(網走バスと、北海道バスと北海道中央バス)、青函フェリー、函館山ロープウェイ、函館市電、札幌市営地下鉄 1day パス、飛行機代(新千歳〜成田; Jetstar)、自宅〜新宿駅、成田空港〜新宿駅の運賃を含みます。

その他(入場料等)には、五稜郭タワーと網走監獄、羊ヶ丘展望台の入場料を含みます。なお、網走監獄はホームページに掲示されている「インターネット割引券」を利用した代金(1350円)としています。

ホテル代、食費・お土産代と入場料等に関しては、全国旅行支援による地域クーポン分も予算に含めています。実際の出費は地域クーポン分を除いた分になります。

1日目

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午前6時、最寄り駅から新宿駅まで移動し、新宿駅で北海道&東日本パスを購入。かくして、1週間在来線縛りがスタートしました。1日目はひたすら移動で、新宿〜八戸間を一気に北上します。

東京近郊は見慣れた景色なので特に感想はありません。下り電車とはいえ、通勤ラッシュと被っていたので結構混んでました。

*脳内 BGM:栃木県民歌「県民の歌」

途中、赤羽での乗り換えを経て宇都宮駅で少し時間があったので途中下車しました。目的は、今夏に開業予定の芳賀・宇都宮ライトレール見物です。といっても試運転しているわけではないので、駅や線路を眺めるだけですが。

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駅に戻り、ここから先は黒磯、新白河、福島、白石と乗り継ぎ、仙台まで北上します。

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仙台についたのは午後2時過ぎで、ここでお昼にしました。30分しかなかったので駅ナカの立ち食いそばに行きました。注文したのは唐揚げそば。

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その後、小牛田、一ノ関、盛岡と乗り継ぎ、最後に IGR いわて銀河鉄道線(青い森鉄道線直通)に乗って八戸へ。八戸で一泊しました。

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2日目

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この日は八戸から函館まで向かいました。青森までは青い森鉄道線で、青森から函館までは青函フェリーで移動しました。

*脳内 BGM:青森県民歌「青い森のメッセージ」

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で、青森駅から青函フェリーのターミナルまでは徒歩45分程度なのですが、ちょうどよい時間にバスがなかったので歩いて向かいました。雪道の徒歩を覚悟してはいたのですが、歩道が雪の塊であり、スーツケースを持ちながらではかなり歩きにくい状態でした。北海道よりも青森市内のほうが移動が大変でした。おとなしくタクシー使ったほうが良かったと思います。

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青函フェリーは30分前までに乗船手続きを済ませる必要があるのですが、ターミナルに到着したのは出航40分前くらい。今回は Web 予約で予約しており、支払いもクレジットで済ませていますが、その場合も「乗船申込書」を書く必要があります。学割があり、学割適用の場合の運賃は1600円です。学割の場合は学生証の提示が必要なのですが、特に提示を求められることはありませんでした。

出航30分前から乗船開始。乗船時は徒歩での乗客が先に乗船し、その後に自動車での乗客が順に乗船していきます。ちなみに今回は「はやぶさ」という名前の船でした。

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乗客の印象としては、中高年の団体、迷彩服を着た男性4人組、女性2人組、そして1人旅っぽい人多数。乗客層は思ってたよりも様々でしたが、歩行者利用よりも車での利用者が多い印象です。

*脳内 BGM : 「津軽海峡・冬景色」

青森のフェリーターミナルを出航すると、船は陸奥湾、平舘海峡、津軽海峡と進んでいきます。

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陸奥湾内では比較的波は穏やかでしたが、津軽海峡に出た瞬間荒波に。割と酔いかけました。

船内は2等客室として、椅子が置かれた部屋が3部屋ほどと、寝っ転がれるスペースが1つ用意されていました。自由席なので場所の移動も自由です。最初は椅子に座って景色を眺めていましたが、酔いそうになったので途中から寝っ転がりスペースに移動しました。

3時間ほどして函館の青函フェリーターミナルへ。フェリーならではで、函館山から市街地にかけてのスカイラインが見られるのはなかなか圧巻でした。

下船時は車が先、歩行者は後でした。注意すべきなのは、フェリーターミナルから函館市街地までを結ぶバス(北海道バス)が1日1本しかないことです。少し前までもう少しあったみたいなんですが、今は16:00 発、函館駅 16:10 着のバス1本のみに。偶然、今回乗ったフェリーは15:35 着だったのでこのバスで移動しました。

ホテルにチェックイン後、函館市電の 1day パスを購入し「五稜郭公園前」へ。目的地はもちろん五稜郭。

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五稜郭は想像以上に大きかったです。大きすぎて画角に入り切りません。反対側に見える夕暮れ時の函館市街地も魅力的でした。

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夕飯は五稜郭向かいのラッキーピエロへ。函館の有名な人気ハンバーガー店なのですが、入店時(18時頃)はかなり空いていました。今回頼んだのはエッグバーガーとフライドポテト。

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あとあと来客も増えてきました。やはり人気店。

その後は函館山へ。少々曇っていたのですが、運良く雲の切れ目のタイミングで来ることができ、綺麗な夜景が見られました。

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その後は八幡坂へ。函館の街並みは美しく、道中でさえ何枚も写真を撮ってしまいました。

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八幡坂についたときには視界が悪くなっており、思い通りの写真は撮れませんでした。

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3日目

この日は函館から札幌まで向かいました。当然、すべて鈍行列車です。

*脳内 BGM:北海道民歌「光あふれて」

まずは朝 8:17 発の函館発長万部行きに乗車。

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この電車…ではなく気動車は明らかに鉄道オタクらしき乗客が多く、途中駅に停車する度にカメラを持って外に撮影しに行く人が数名いました。筆者ははっきりとした鉄道オタクではないとはいえ、どちらかといえばそっち側なので、気動車や車窓の写真撮影時に心細い思いをしなくて済みました。

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長万部駅で下車後、2時間ほど駅で待機。海が近いので見に行こうと思ったのですが、雪が降っててあまり遠くまでは見えませんでした(対岸は室蘭方面)。

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長万部からは倶知安行きの函館本線に乗車。先程とは打って変わって、やたら社交的なおじさんやスキーをしにきたらしき外国人の方が多数乗っており、車内は賑やかでほぼ満席でした。

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倶知安では小樽行きに乗り換え。ここからは2両編成で、比較的席に余裕が出てきました。非常に眠かったので乗車中のことはあまり記憶にありません。

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小樽では一旦駅を出て、小樽運河やその周辺の街並みをを見に行きました。

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この時点では観光客が多すぎて、まともに写真が撮れませんでした。

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運河沿いのガス灯が点くのをずっと待っていたのですが、日没時間になってもなかなか点かず。どうせ乗り放題なので、とりあえず一旦札幌に行って、ホテルにチェックインして札幌ラーメンを食べてからまた小樽に戻ってくることにしました。冬の札幌駅、国鉄のにおいがムンムンするから大好きです。

Q. 国鉄時代 生まれてないでしょ?
A. …

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ラーメンは札幌が一番好きです。

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で、21時ごろにまた小樽に戻ってきたわけですが、なかなか良い雰囲気になっていて、かつ観光客も少なくなっていたため撮影し放題でした。

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4日目

この日はひたすら移動でした。出発前に少し時間があったので朝の札幌観光。時計台、テレビ塔、すすきのなどなど。

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そして、札幌から千歳まで快速エアポートで、千歳から新夕張までは石勝線の普通列車で移動。

そしてやってきました、新夕張。

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夕張といえばメロンですが、この時期はオフシーズンなのでメロンが全く売っていません。代わりに、駅前の「メロード」という道の駅でメロンパンが売っていたので買って食べました。

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中にメロンクリームが入っていました。

まだ乗り換えまでに時間があったので、駅周辺をちょっと散策。

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夕張といえばメロンの次くらいに財政破綻と廃墟が有名です。新夕張は比較的栄えている方で、それほど閑散としているわけでもないのですが、駅の裏側に行くと…

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ありました、廃墟らしき団地が。玄関が雪に埋まっていたり、窓が封鎖されていたりするので、おそらく誰も住んでいないでしょう。ただ、全世帯が廃墟というわけではなさそうです。

その後は「特急あおぞら」で新得まで。北海道&東日本パスでは、特例として特急列車しか走らない石勝線の新夕張〜新得間は、相互発着に限り特例として特急列車の普通車自由席に乗車することができるのです。自由席に乗車すると車掌さんが検札に来られるので、北海道&東日本パスを提示した上で新得まで乗車する旨を伝えれば OK です。

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新得では釧路行きの普通列車に乗り換え、釧路へ。乗車時間、なんと4時間半ほど。

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途中、帯広の街を横目に通過し、

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21時ちょい前、ようやく釧路に到着しました。PXL_20230305_114537049

もう店はほとんど閉まっていたので、夕飯は駅前のコンビニで済ませました。次回、釧路湿原からスタートです。

つづく

後半は5日目〜8日目について書きます。近日公開予定です。書きました。
北海道&東日本パスで行く北海道一周(後編)