前回に引き続き、北海道&東日本パスで行く北海道旅行編の後編(5日目~8日目)です。

今回は釧路湿原、網走監獄、流氷、旭川、札幌などを巡った記録を書き残しておきます。

なお、北海道&東日本パスの概要や予算については前編をご覧ください。

旅程(再掲示)

参考までにもう一度載せておきます。

  • 1日目(北海道&東日本パス利用開始日)
    • 新宿(埼京線)⇒赤羽(宇都宮線)⇒宇都宮(東北本線)→黒磯→新白河→福島→白石→仙台→小牛田→一ノ関⇒盛岡(IGR いわて銀河鉄道線・青い森鉄道線)⇒八戸
  • 2日目
    • 八戸(青い森鉄道線)⇒青森青森フェリーターミナル(青函フェリー)⇒函館ターミナル(北海道バス)→函館駅前
  • 3日目
    • 函館(函館本線)→長万部→倶知安→小樽札幌
  • 4日目
    • 札幌(千歳線)⇒千歳(石勝線)→新夕張⇒新得(根室本線)⇒釧路
  • 5日目
    • 釧路(釧網本線)⇒細岡釧路湿原(釧網本線)⇒釧路
  • 6日目
    • 釧路(釧網本線)⇒網走
  • 7日目
    • 網走(石北本線)→北見⇒旭川(函館本線)→岩見沢⇒札幌
  • 8日目(この日のみ北海道&東日本パス対象外)
    • 札幌(千歳線)⇒新千歳空港新千歳成田空港第2ビル(京成本線)⇒日暮里(山手線)⇒新宿

旅程を地図に示すとこんな感じになります。

今回は後編ということで、5日目(3月6日)~8日目(3月9日)について取り扱います。

5日目

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5日目は釧路からスタートです。この日は今回の旅行の最大の目的地、釧路湿原に向かいます。ホテルの出発は朝6時30分頃です。なお、釧路ではホテルを2連泊で取ったのでこの日のチェックアウト等の手続きは無しです。

6時38分釧路発、釧網本線網走行きに乗車し、釧路湿原の目の前にある細岡駅へ。

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今日の目的地は釧路町にある細岡展望台。列車または自家用車でしかアクセスできない不便な立地ですが、路線バスで行ける他の展望台と比べても格別に景色がいいと聞きます。
最寄り駅は釧路湿原駅ですが、こちらの駅、冬期の平日は網走方面は1日1本、釧路方面は1日2本しか停車しません。各駅停車なのに通過してしまいます。

実はここ、旅程を組む上でかなり悩みました。まず、釧路から釧路湿原駅へ行く場合、釧路湿原駅を14時14分に出発する汽車と、16時32分に出発する汽車の2本しかありません。一方、釧路湿原駅から釧路駅に帰ることを想定すると、13時14分釧路湿原駅発の1本しかありません。つまり、普通に行ったら釧路に帰れません。

ここで思い浮かんだ案が以下の2つです。

  1. 釧路から網走に向かう道中で途中下車して釧路湿原に寄る

  2. 隣駅である細岡駅から歩いて細岡展望台に向かう

1 は滞在時間が2時間ほどになりますが、あまり歩かなくて済みます。
ただ、個人的にあと2つ釧路でやりたいことがあって、1つ目は本場でスパカツを食べること、もう1つは世界三大夕日の1つである釧路港の夕日を見ること。それから、網走では流氷と監獄が見たい。1案では、ダイヤや時間帯の関係からこれらすべてが実現できなくなってしまいます。

よって今回採用したのが2番目の案です。北海道で一駅歩くとなると物凄い距離を歩くことになりそうですが、実は釧路湿原駅と細岡駅は 2.4km しか離れていません。Google Maps によれば、細岡駅から細岡展望台までは徒歩30分ほどとなっています。細岡駅なら平日朝に釧路発網走行きの汽車が停車するので、これなら朝釧路湿原に行って昼に釧路駅に戻り、無事スパカツと夕日と流氷と監獄が達成できるわけです。帰りは釧路湿原駅から乗車して釧路駅に戻れば良いのです。滞在時間が6時間くらいになってしまいますがね。

※ ただし、3月18日(つまり昨日)のダイヤ改正により細岡駅は4月25日~11月30日のみの停車となります。 実はこの時期にこの旅程で行けるのはギリギリセーフだったのです。

そろそろ話を戻します。朝7時0分、列車に乗って細岡駅に到着しました。

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…何もない。周りに民家一つもない。
こんな秘境駅で平日の朝から降りる人、自分しか居らんだろ、なんて思ってたんですが、なんともう一人下車した方がいらっしゃいました。その方は20分くらい駅周辺を散策した後、7時22分細岡発釧路行きの汽車で戻っていきました。そうか、その手があったか。
でも、滞在時間20分では細岡展望台には辿り着けません。さあ釧路湿原を楽しもう、6時間くらい。

脳内 BGM : 「北の国から ~遥かなる大地より~」

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通行止めの看板があってギョッとしたんですが、これは細岡展望台から先の道が通行止めになっているだけでした。

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駅前を釧路川が流れており、川の向こう側から釧路湿原が広がっています。

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周辺を散策してみると、北海道東部に生息するタンチョウや、

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エゾシカの群れが確認できました。

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野生の事故車も出現。

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細岡駅~細岡展望台間の徒歩が一番の不安要素だったんですが、道中はきちんと除雪されいました。青森駅の裏側の道に比べたらかなり歩きやすいです。

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32分ほど歩いて細岡展望台に到着しました。

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ここからの眺めは格別です。これが見られただけでも北海道に来た甲斐がありました。

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あまりに雄大な自然とエゾシカとタンチョウが見られたので、退屈することなく6時間過ごせました。数百枚は写真を撮ってたと思います。

13時ちょっと前くらいに下山し、10分くらいかけて釧路湿原駅へ。無事に釧路湿原駅から釧路行きの列車に乗車し、

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釧路駅に戻ってまいりました。
ここでお待ちかねのスパカツです。スパカツ発祥の店と言われている「泉屋」というお店に入りました。

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本当にミートソースパスタにそのままトンカツが乗った感じの料理で、肉の甘味とミートソースの相性が抜群でした。

その後はホテルに戻り、少し休憩していました。と、ここで事件が発生。

なんと、スマホとは別に持参していた一眼レフカメラの SD カードのデータが消えてしまいました。簡潔に説明すると、SD カードの残量が少なくなっていたので MacBook に取り込もうとしたら、データのコピー中にカードリーダーに腕が触れたことにより接触不良で抜けてしまい、その拍子にデータが全部読み込めなくなってしまいました。

とりあえず SD カードにデータを上書きしないように注意しながら、PhotoRec というオープンソースのデータ救出ツールでデータ復旧を試み、なんとかすべての写真を救出することができました。危ない危ない、とりあえず一件落着です。 どうもファイルとしては全部削除された扱いになっていたものの、バイナリとしてのデータ自体はまだ残っていたようです。これについては後日、別記事に書きます。

データは救出できたものの、壊れた SD カードを使い続けるわけには行かないので、近所のヤマダ電機で急遽代わりの SD カードを購入しました。というわけで、釧路土産は SD カードです。

日没時間が迫っていたので、急いで幣舞橋へ。

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かなりギリギリ、ほぼ沈んだ状態の釧路の夕日を見ることができました。

夕飯は釧路ラーメンにしました。

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6日目

6日目は釧路から網走へ向かいます。8時57分発の「快速しれとこ摩周号」で網走へ。

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釧網本線の車窓がまた素晴らしく、昨日降り立った釧路湿原や、

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知床斜里駅近辺では、流氷を遠目に見ることができました。

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実は今年は早めに流氷が沖に流れており、見られたらラッキーくらいに留めていました。知床周辺の線路沿いは流氷のかけらがちらほらと残っていましたが、網走まで行くともう残っておらず、釧網本線で来て正解でした。

12時前に網走駅に到着。

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ここでは海鮮丼の弁当を購入。オホーツク海産の海鮮が載った海鮮丼、なんと500円です。これを天都山展望台のベンチで、オホーツク海と網走市街地を眺めながらいただきました。

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天都山展望台の眺めはこんな感じ。網走からは流氷は見えませんでした。もう少し視界が良いと知床の山が見えたりもするのですが、この日は見られず。

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反対側には網走湖が見えます。

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その後は網走監獄に向かいました。懲役時間は2時間ほど。

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当時の過酷な刑務所生活と、北海道開拓との関係などを知ることができました。

夕飯はかにめし弁当です。

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7日目

7日目は網走から一気に札幌に戻ります。ひたすら移動する日です。途中、北見と旭川にも寄っていきます。

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朝の網走駅。この縦書きの「網走駅」の文字にも、網走刑務所からの出所者に向けた「横道に逸れずに真っ直ぐ生きよ」というメッセージが込められているらしいです。

まずはこの列車で北見へ向かいます。
脳内 BGM : JR 北海道社歌「北の大地」

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なんと道東の鈍行列車では珍しく2両編成。連結部の運転席をちょっと覗いていきました。

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雄大な河川を渡り、

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北見に到着。

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滞在時間は40分ほどだったので、ちょっとだけ駅前をぶらぶらしてました。

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お次は「特別快速きたみ」で旭川へ。特別快速という名前ですが普通列車です。

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石北本線の北見~旭川間は遠軽でのスイッチバックや、日本一距離が長い白滝~上川間(37.3km)など、これまた見応えのある路線です。

車窓から鹿を見つつ、

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3時間くらい乗車して、列車は旭川駅に到着。

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旭川駅はいつ見てもかっこいいですね。

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案内板には、もうすぐ廃止されてしまう留萌行きの表示がありました。

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旭川市街地を散策。北海道内陸にありながら大都会というギャップが好きです。3月の北海道なのにこの日は雨でした。

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お昼は「梅光軒」で旭川ラーメン。こいついっつもラーメン食ってんな。

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そして岩見沢行きの普通電車に乗り、札幌方面へ。写真は旭川駅を出発したあたりです。

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旭川~札幌間は電車も長く、乗客も多いので一気に都市部に入ってきた感じがしてきます。

岩見沢で乗り換え、再び札幌にやって来ました。

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これにて北海道&東日本パスは7日目の夜を迎え、いよいよ出番終了です。翌日は地下鉄を乗り回して札幌市内観光をします。

夕飯は十勝の豚丼 in 札幌。帯広は通過してしまったので、その代わりにと帯広に本店を構えるお店で食べました。

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札幌は北海道中の店が集まっているのが素晴らしいですね。まさに道都、単なる道庁所在地ではなく北海道の首都としての威厳が感じられます。

その後はちょっくら夜の札幌観光。札幌は地下街が整備されているので、札幌駅からすすきのまで暖房が効いた通路を歩いていけます。ずっと見たかった夜のニッカウヰスキーの看板へ。

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こういった看板だらけの街並みも好きです。数年前に行った道頓堀を思い出します。

せっかくだから周囲を散策してみようとしたんですが、ちょっと怪しげな店が散見されたのでさっさと撤退し、さっぽろテレビ塔へ。

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最後に時計台を見て、この日は観光終了です。

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8日目

いよいよ最終日。札幌市内を観光し、飛行機で東京へ帰ります。

ホテルがチェックアウト後も荷物預かり OK だったのでスーツケースを預けてもらい、まずは札幌市営地下鉄の 1day パスを購入して、二条市場と札幌場外市場を観光。

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続いて羊ヶ丘展望台へ。入場料は大人530円です。

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言わずと知れたクラーク博士像。「少年よ大志を抱け」と語りかけてきます。

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お昼は札幌名物スープカレー。

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その後お土産を大量に買っていたら、もう空港に向かわなければならない時間になってしまいました。

なるべく地下鉄の 1day パスを有効活用すべく、新さっぽろ駅まで地下鉄東西線で向かい、新札幌駅で快速エアポートに乗車します。

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帰りの飛行機はジェットスターの新千歳発成田便です。
ケチって受託手荷物なしで予約したのですが、その場合機内持ち込みが可能なのは 7kg までなのに対して、今回の手荷物は合計 18kg でした。

空港で出発直前に受託手荷物オプションを付けると、結構割高になってしまいます。そこで、スーツケースはヤマトの宅急便で自宅まで送りました。スーツケース 11kg で関東への送料は2050円です(現金のみ)。飛行機の預け代金より安い値段で自宅まで運んでくれるのは助かりますね。

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斯くして、成田空港に到着。

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こうして、今回の旅は無事完了したのでした。

おわりに

10年ぶりに来た北海道にて、自分史上最長かつ最も過酷な旅を無事完遂することができました。旅行というより修行でした。特に列車の本数が少なすぎるので、旅程を立てるのに苦労しました。けれど、大きなダイヤ乱れもなく予定どおり完遂できたのは幸運でした。

心ゆくまで北海道の雄大な景色と自然、非日常感を味わうことができたので疲労感よりも楽しさのほうが上回りました。

また、8日間という期間も個人的にはちょうどよいと感じられました。旅の終わりは日常に引き戻されるという絶望感に襲われがちですが、8日も旅に出ているともはや旅が日常と化すので、そろそろ現実に戻りたくなり始めます。

今回、亜寒帯の冬(早春?)を体験して思ったのは、意外とそれほど寒くないという点です。偶然暖かい1週間だったのもありますが、3月上旬の気温は真冬の東京と大して変わりませんでした。かといって場所によってはマイナス10度に差し掛かることもあるようなので、舐めてかかったらダメです。
スギ花粉が飛んでないのもポイント高いですね。避花粉地としても最適です。

北の大地は何から何まで最高でした。次は秋に行きたいなと思ってます。