お久しぶりです。先日、1週間ほどヨーロッパに渡航しておりました。具体的にはギリシャ・アテネとドイツ・ミュンヘンの2都市。せっかくなので、その時の出来事や感想などを述べていきたいと思います。

写真が多めなので2回に分けています。今回はその前編です。

シリーズ目次

渡航の目的

今回の渡航の目的は観光ではなく、国際学会への参加でした。今回参加した会議は EuroSys という、CS 分野ではトップカンファレンスとして数えられる著名な学会です。この度参加させていただける機会を得られました。

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その名の通りヨーロッパの学会ですが、参加者の在住国は多種多様で、一番参加者が多いのは中国の方々です。もちろん日本人の参加者もそこそこいらっしゃいます。

円安の影響

あいにく、過去30年間で一番酷いド円安の中での渡航となりましたが、交通費・宿泊費などは出張費で賄えるので大した出費ではありませんでした。

とはいえ、出国時点では1ユーロ約164円だったのが帰国時には約169円になっていたりと、一番変動が酷い時期に重なってしまったので、もう何が得で何が損なのか、外貨素人の自分にはわかりません。帰国時に円に戻せばちょっとは儲かるかな?とウキウキで帰国したのですが、両替所のレート的にはまだ若干損する程度でした(円→外貨と外貨→円でレートが異なるため)。

ちなみに今回両替したのは羽田空港内にある「日本空港ビルデング 外貨両替所」。今年4月にオープンしたばかりなので情報が少ないですが、他の両替所と比較して、空港内ではここが一番良いレートでした。

ギリシャでの出来事

ここからはギリシャ・アテネに移動するまでの出来事や、食事、観光などについて書いていきます。

アテネへの移動

同行者である指導教員と合流し、まずは羽田からミュンヘンへ。片道14時間ほどかかりました。現在はロシア上空を通過できないので、遠回りしてアラスカやグリーンランドを経由する北極ルートでした。そのため、通常より2時間ほど飛行時間が長くなります。

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飛行機の中から自宅の VPN 鯖にアクセスできるか試してみたかったんですが、国際線って Wi-Fi は有料なんですね。高かったので諦めました。

その後、ミュンヘンで乗り換えアテネへ向かいました。

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アテネへ到着。そこからタクシーでホテルへ。

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ホテルはこんな感じでした。1人1部屋ですが、ベッドは3人分あります。

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学会参加

上記「渡航の目的」に載せた通り、今回の目的は学会への参加です。4日間開催されており、すべての日程に参加しました。

あまり詳しく書くと個人を特定できてしまうのでざっくりとしか書けませんが、英語で伝える練習になったのはもちろんのこと、今自分が専門としている分野の最先端のことを知る機会にもなり、とても刺激的な4日間でした。

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(著作権の関係でスライドは隠しています)

自分は英語は苦手な方なのですが、やはりトップカンファレンスに論文を通す方々はスライドの作りが上手です。他の方の発表を見ていると、図を見ただけ理解できるような発表が多く見受けられました。まだまだ自分は勉強不足だなぁと思った反面、今まで知らなかった分野を知る機会になったり、トップカンファレンスで闘う方々のプロの英語での発表の受け答え方や資料の作り方など、とても勉強になりました。

自分の研究発表に関しては、自分の英語力の低さもあり、おそらく伝えたいことの60%くらいしか伝えることはできなかったかと思います。そこが唯一の心残りです。しかしながら、現在の研究における問題点、「この技術ではなく、こっちを使ったらどうか?」といった、今までになかった新しい着眼点を得られました。また、自分の研究に関してポジティブな反応を返してくださる方も多くいらっしゃり、今後のモチベーションに繋がりました。

ギリシャ料理

ギリシャはとにかく料理がうまいです。渡航前はあまりギリシャ料理の具体的なイメージが無かったのですが、トルコ料理とイタリア料理の中間みたいな感じでした。基本的にどの料理にもオリーブオイルがふんだんに使われています。

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ギリシャ風ケバブ。ハンバーグみたいな味付けでしたが、ヨーグルトソースなどと絡めるとさらに美味です。

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イカフライ。メジャーのメニューのようで、どの店に行ってもありました。

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ムサカ。挽き肉、ジャガイモなどのソテー、ほうれん草が層状になったものです。ギリシャ風グラタンと言われていますが、キッシュのような味にも感じられました。

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ギリシャ風サラダ。シンプルにオリーブオイルで味付けされており、大きめの2枚のチーズが載っています。

観光

学会の合間を縫って会場近くの観光地にも行きました。アテネは街中が遺跡だらけなので、学会前後など、小一時間もあれば観光できてしまいます。どれくらい遺跡だらけかというと、学会の会場の目の前に遺跡があるレベルです。また、ヨーロッパは今サマータイム中ですので、夜6時頃でもまだ明るいのです。

まずはゼウス神殿(Ναός του Ολυμπίου Διός)。今回の学会の会場の目の前にあります。入場はしませんでしたが、外から眺められました。

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パナシナイコスタジアム(Παναθηναϊκό Στάδιο)。第1回近代オリンピック(1896年)の開催地で、古代オリンピックの会場跡地に建てられたものです。入場料は通常10ユーロ、EU 圏外の学生(~25歳)であれば5ユーロでした。

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入場すると階段を登ることもできます。これがかなり急で、登るとアテネ市街地を一望できます。

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本来はスタジアムの中央部にも入れるようですが、今回はちょうどギリシャでパリオリンピックに向けた聖火リレーが行われており、その式典がここで行われる予定だったようで、一部立入禁止になっていました。

言わずとしれたアテネの象徴、アテナイのアクロポリス(Ακρόπολη Αθηνών)。紀元前から残る遺跡中の遺跡で、パルテノン神殿やヘロディス・アッティコス音楽堂などといった複数の遺跡からなる城塞都市です。紀元前でこれだけのものをどうやって建てたのか本当に謎です。

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こちらがヘロディス・アッティコス音楽堂。

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プロピレアと呼ばれる門。

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そしてパルテノン神殿。こちらが表面ですが補修工事中でした。

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こちらは裏面の様子。

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頂上からの眺めも最高です。

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アレオパゴスから眺めるアクロポリスの様子。

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最後に街なかの様子。綺麗なんですが、ところどころ落書きが目立ちます。

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市内を走るトロリーバス。日本国内では立山黒部の一箇所しか残っておらず、走っているところは初めて見ました。

帰国…と思いきや

今回は出張ですので、学会が終わったらさっさと帰国しなければなりません。最終日の翌日朝3時にホテルを出て、さあミュンヘン経由で帰国…と思いきや。

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なんと、ミュンヘン→羽田の便が欠航になってしまいました。しかも振替後の便は2日後。というわけで、経由地のミュンヘンで唐突に2泊することになりました。まあでも、EU 261 の規定で航空会社から宿泊費と食費に最大 400 ユーロの補償が出るらしいし、学会が終わってどうせ暇なのでドイツ観光の時間ができてラッキー!と思っていたら…

なんと、指導教員の教授だけフランクフルト経由の別の便(当日直帰)に振り返られてしまいました。チケットの振替も不可能でした。つまり、言い換えると、自分だけ1人でミュンヘンに2日間取り残されることになりました。

英会話なんて小学生レベル、海外経験は5年前のシンガポール修学旅行だけ。果たして無事帰れるのか?

次回に続く!

次回:初めてのヨーロッパ渡航記#2(ミュンヘン編)